母が発見した祖母の日記。

母が発見した祖母の日記。

施設入所した高齢者の多くはきっと同じように感じている方も多いのかも…。

2021/10/22

どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は私の母が先日偶然発見した祖母の日記を読んだ感想を聞いて感じたことを書いてみたいと思います。
きっと施設入所した高齢者の多くは私の祖母と同じように感じているのかもしれないなと考えるきっかけになったのでシェアします。
私の祖母は3年前の8月にこの世を去りました。老健に2年・特養に5年入所し最期は施設で迎えました。
祖母の気持ちを書くに当たって少し祖母のことを書かせて頂きます。
でははじまりじまり~!!

私の祖母・初子さん。


私の祖母は初子(はつこ)と言います。大人数の兄弟を持つ長女でした(笑)
初子さんは母方の祖母です。私に取って祖母はいつも優しく決して怒らずニコニコとどんな我儘も聞いてくれる。そんな祖母でした。
私が子どもの頃は祖母の傍から離れたくなくて、自宅に帰るとなるといつも泣いていたのを覚えています。すると祖母はその日のうちに会いに来てくれたりもしました。
母親よりも直接的で優しい愛情をたくさん与えてくれた人でした。
祖父が亡くなってからしばらくは一人暮らしをしていましたが、祖父が生きていた時から認知症状が少しずつ出始めており、大腿骨骨折を機に入院しそのまま施設入所をすることになりました。
この当時、大腿骨骨折し歩けなくなった祖母を自宅まで様子を見に行き身の回りの世話をしたのは当時20代半ば過ぎの私ですが、結果として骨折に気づくことが出来ずに翌日まで自宅にいさせてしまったことを今でも悔いています。
「今ならもっとしてやれたのに…」当時から介護の仕事はしていましたが、知識も技術も足りなかった私は何も力になって上げられなかったと感じています。
私の気持ちは今日は置いておいて…。
祖母は入院治療を経て、老健入所をすることになりました。その時東京都内に住んでいた祖母を老健入所させる際には母と私の住む隣県の施設に移しました。
「外に出る訳ではないし、同じ関東圏だから大丈夫かな」という安直な考えでしたが、高齢者は雰囲気にも敏感です。祖母は当時から自分が全く知らない土地に来たということを察しているような様子が伺えました。

祖母の日記


この当時は会話も出来ていましたし、文字を書くことも辛うじて出来ていた祖母が書いた日記のような便箋が先日偶然実家から出て来たそうです。
先日実家で食事をしていると母がふと「この間おばあちゃんの日記みたいな便箋が見つかったのよ。その便箋を読んでたら泣けてきちゃってね~」と…。
施設入所して1週間が過ぎた頃に書かれたものだったそうですが内容は…。
施設に来て1週間が経ったみたいだけど、この場に慣れない。でも家族には迷惑を掛けたくないから私がここに慣れるしかないのかな。最近はいつも頭にモヤがかかっているみたいで、いつになったらこのモヤが晴れるのか。こうして文字を書いていても分からない字が増えてきた。忘れない為にもこうして文字を書かなきゃ。私の名前は初子。初子。名前も忘れてしまいそう。
この日記を読んで母は涙が出たそうです。私もその話を聴いて祖母のその当時の気持ちが伝わってきました。
祖母はきっと今まで住んでいた場所から離れたくはなかったと思います。
半世紀以上住んだ自宅から出るというだけでも大きなストレスだったはず。人に気遣いばかりする人だったので会ったことも見たこともない介護職員さんに気を使い上手く自分を表現することも出来なかったのだと思います。
そんな状況の中、元々症状の出始めていた認知症状に拍車がかかったのでしょう…。モヤが晴れなかったのはそれも原因な気がします。
どこかも分からない環境で少しずつ抜け落ちていく記憶と、いつ家族が来るかもわからない孤独に耐えながらも「家族には迷惑は掛けられない」という家族を想う気持ちだけで繋いでいた心だったのだと思います。
きっと施設入所した方はこんな気持ちでいる方も多いのかなって…。
私は祖母のことを考えた時、在宅で出来ることと施設だから出来ることそれぞれが浮かんできました。

在宅だから出来ること

それは利用者の自宅での生活をマネジメントしてギリギリまで過ごして頂く手筈を検討すること。これはケアマネの力量にかかってくると個人的には思っています。
当時の祖母の状況と今の私の知識があれば、自宅退院から1・2年は在宅生活で支援出来たと思っています。
それだけ在宅生活を支えるのはケアマネのマネジメント力が大きく関係します。それをケアマネは常に意識していく必要があります。

施設だから出来ること

入所者の不安に寄り添い「ここにいても良いんだ」と思って頂ける対応や声掛けをすること。これは属人的な要素が強いですが、施設で働く方の全ての人が意識して欲しいなと切に願います。
自宅から様々な理由で施設を選択するに至った高齢者は様々な不安を抱えておられると思います。介護技術はあって当たり前。精神的な糧になれるか否かが施設で働く介護職の「プロ」としての見せどころではないかと私は思います。

これまでの経験を活かして


祖父にも祖母にも私自身介護を仕事にしていながらも大した力になることも出来ずにお別れをしました。
二人は全く気にもしていないでしょうし、私を責めることも絶対にないと思います。でも不甲斐なかったと今でも私はふと思う時があります。
この後悔にも似た感情を決して無駄にしてはならないと思っています。
だからこそ母親にだけは、私のこれまでの知識と経験を活かして、絶対に「介護」を受ける時に困ることが無いようにしたいと思っています。
私自身今は少し肩に力が入っているような状態ですが、まだ母親に介護が必要になるまで数年は時間があると思います。
それまでに私の経験や知識、精神的な部分も成長することを信じて…。
そして、これからも在宅のケアマネジャーとして自宅で生活したい方の支援をし続けたいと思います。
ギリギリまで自宅にいること。希望があれば最期まで自宅でいることは可能だと思います。もちろん全員が全員希望通りにはいきません。それでも可能な限り希望に近い形に出来るか否かはケアマネの能力にも大きく関わると私は思います。
その為に、自分自身の能力や技術を伸ばして利用者が希望する場所で希望する生活が少しでも長く続けられるように…。
そんな気持ちを再確認することが出来た祖母の手紙のお話でした。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。今日はこの辺で。
ではまた!!!カイゾウでした!!!

さいごに

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