今月から新たに導入されたケアプラン検証について!

今月から新たに導入されたケアプラン検証について!

ケアプランに位置付けた意味をしっかりと説明出来れば問題ないと思います。

2021/10/1

どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は今月10月1日から新たに導入されたケアプラン検証について私が考えることを書いてみたいと思います。
だいぶケアマネジャー(以下:ケアマネ)に関する内容に偏った記事になりますのでご興味ある方はぜひ読み進めて頂けると嬉しいです。
では早速、どのような内容かを簡単に書き出します。
今回のケアプラン検証の的になったのは…
区分支給限度基準額の利用割合が高く、サービスの大部分を訪問介護が占めるケアプランを策定している居宅介護支援を事業所単位で抽出する
もう少し具体的に書くと、区分支給限度額の7割以上の介護サービスを利用していてそのうち6割が訪問介護をケアプランに位置付けているケアマネの事業所のあぶり出しです…
あくまで「事業所」のあぶり出しなので、事業所のケアマネ一人が上記の数字になっていても問題ありません。ただ、事業所が抱えている利用者の総数に対して上記の数字になった場合は注意が必要です。
該当した場合は市町村の求めに応じてケアプランの届け出などを行う必要性が出てきます。
この制度に対する厚労省のコメントは…

「より利用者の意向や状態像に合ったサービスを提供できないか検証するための仕組み。この基準に該当している事業所が悪い、というわけでは決して無い」

だそうです…。
ここまでで、ケアマネ以外の方は「?」となっているかもしれませんね。出来る限り嚙み砕いてお伝え出来るように頑張ります。
要するに「訪問介護をそれだけ多く利用している意味は何なの??その必要性は?」ということを厚労省は言いたいわけです。
ここからは実際どのような居宅介護支援事業所が該当する可能性が高いかと、在宅一筋11年の私が立てたケアプランはどうかを参考までに書き出したいと思います。
では前置き長くなりましたがはじまりじまり~!!

該当する可能性の高い居宅介護支援事業所は??


サービス付き高齢者向け住宅(以下:サ高住)にお住いの高齢者に対するケアプランを作成している居宅介護支援事業所が最も抽出される事業所に該当すると思います。
サ高住は各居室が「賃貸住宅」扱いの高齢者住宅です。有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの施設とは異なり「一部屋」が「利用者各人の賃貸住宅」という位置づけ。
要するに各居室が利用者個人の「家」なので、そこでの生活の中で発生する家事などを利用者本人が出来なければ「訪問介護」としてヘルパーが家事を行う名目が立ちます。
訪問介護は「身体介護」と「生活援助」というサービスのくくりに分かれますが、基本的には「生活援助」は同居家族がいる場合に介護保険で利用することは認められていません。
しかし、サ高住は各居室が「利用者の家」であり、基本的には一人用居室が多いため、居室への家事援助は「独居高齢者への支援」として介護保険で認められます。
となれば、掃除・洗濯などの生活援助はもちろんのこと、通所の送迎対応や人によっては入浴介助や着替えなど様々な支援を「訪問介護」で対応しているサ高住も多いと思います。
サ高住に生活されている高齢者の多くは限度額の7割以上はゆうに超えて介護保険を利用されている方も多く、そのうちの6割は訪問介護なんてのもザラです。

国は財源を確保したい。でもサ高住の仕組み的に介護保険ありきじゃないの?


完全に個人的な意見になりますが、そもそも補助金などを出して大量にサ高住を作らせたのは国のはず…。なのに、サ高住で介護保険を利用することに目を光らせるのは何ともな~と思います。
私はサ高住のケアプランを立てたことは数える程度しかありませんが、介護度が上がれば上がる程に介護保険の負担限度額いっぱいまでサービスを利用しても利用者の生活を維持するのは難しいと感じました。
どこのサ高住もギリギリの職員数で対応しているので「サ高住の職員」として雇える人数はたかが知れています。だからこそ、併設の訪問介護事業所などを立てて「訪問介護事業所のヘルパー」として職員が関わり収益も維持しつつ利用者を支える必要がある。
それでも正直収益はトントン、どうしてもサービス介入が必要な利用者にはサービス(お金を取らず)で関わっているなんてサ高住も少なくないようです。
もちろん無駄にサービスを入れて収益だけを荒稼ぎしているサ高住やそれに加担しているケアマネは論外です。しかし、介護はボランティアではありません。しっかりとした事業であるからこそ必要な収益がなければ維持できなくなってしまうと思います。
私が働いていた地域ではサ高住での生活費の相場は、介護保険・医療保険分を除いても17~20万程度。この中から高齢者が生活できるように介護まで提供するとなると、とてもじゃないけど収益化は難しいように感じます(居室数にもよると思いますが…)。

ちなみに在宅で生活されている方のケアプランはどうなの??


これまで数多くの利用者のケアプランを立ててきましたが、限度額の7割以上のサービスを利用されている方はほとんどいませんでした。
もちろん介護度が高くなるにつれ、または利用者の自立心や家族の介護力など様々な状況下ではありましたが、それでも多くは限度額の5割前後という印象です。
ましてや、訪問介護が6割を超えることも非常に稀でした。※私が訪問介護をケアプランに取り入れるのにやや苦手意識があったこともあるかもしれませんが…。
ADLを維持した上で、自宅での生活を続けることを目的とした場合、やはり通所を主軸にしたケアプランが多かったと感じます。
なぜなら「食事・運動・交流」をまとめて提供出来て、かつ適切に様子観察が出来る優れたサービスが通所だと個人的には思っているからです。
※もちろん利用者に押し付けるようなこともなければ、誰かれ構わず提案する訳ではありません。
そう考えるとやはり「負担限度額の7割、そのうちの6割が訪問介護」という限定的なケアプラン検証はサ高住に対する牽制球だと感じています。
今日はちょっと評論的な記事になりましたが、浅い知識で書いたものなので「私はこう思うよ」などご意見頂けるととても嬉しいです。あと、今回の記事はあくまでカイゾウという「一ケアマネ」が感じたものなので鵜呑みはお気をつけくださいね(笑)
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。今日はこの辺で。
ではまた!!!カイゾウでした!!!

さいごに

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